マナスル(Manaslu,Japan,1957-)


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 マナスルは国産のストーブである。現在もなお生産を続けていて、世界的に見ても貴重な存在のブランドである。
 マナスルはヒマラヤの高峰(8156m、標高では世界で7番目)の名前であり、全部で14座ある8000m峰の中で日本隊が唯一初登頂(1956年、昭和31年)した山である。当時この快挙によって日本国内では一大登山ブームが巻き起こった。マナスル・ストーブはこうした時代を背景に1957年(昭和32年)に生まれたらしい。
 マナスルは当初、飯塚運動具製造鰍フ製品だった。飯塚運動具製造はホープ(HOPE)のブランドで登山用品やスキー用品を販売していたのでマナスル・ストーブもホープ・マナスルというブランドで販売された。飯塚運動具製造は、その後1965年頃社名をホープ鰍ノ変更した。
 ホープはストーブの他にコッヘル、背負子(アイガーという商品名が有名だった)、ピッケル、クライミング・ハーネス等も手掛け、エバニューやトップと並んで有力な登山用品メーカだったが1980(昭和55)年に解散となってしまった。
 現在マナスル・ストーブは灯油燃料のモデル96,121,126及びガソリン燃料のモデル160が東京にある葛g川製作所で製造されている。販売代理店はスター商事鰍ェ行っていて、各登山用品店で購入することができる。


山と渓谷社「登山用具百科」(1979年刊)の広告から抜粋。価格は現在とは異なる。